富裕連帯税
(
Impôt de solidarité sur la fortune:アンポ・ドゥ・ソリダリテ・スール・ラ・フォルチューンヌ)について
フランスには、所得税の俗に富裕税と呼ばれる税金があり、所有する資産の価値により自己申告する必要があります。
所有資産価値が760.000ユーロ(約1億1千4百万円、1ユーロ=150円で計算)を超えると課税対象となり、税率は2007年1月1日現在0.55%〜1.8%です。
元々は、1982年に設けられた大富裕税(Impôt sur les grandes fortunes)が発端です。ジャック・シラクが保革共存状態で首相
になった際に廃止となりましたが、1988年にミッシェル・ロカール政権により、富裕連帯税と名前を変えて復活しました。
課税対象は、所有資産全てで、不動産はもとより現金、貴金属類、家具、証券なども含まれます(芸術品は対象外)。フランス居住者であれば、外国に所有している資産も課税対象に含まれます。税務上の「居住者」の定義には、フランスに年間183日以上滞在していること、経済の中心がフランスにあることなどの条件があり、在仏日本企業の駐在などもこの対象に入ります。日本に不動産などの資産を所有し、その価値が760.000ユーロを
超える場合は納税義務があります。
所得税と同様に、”家庭”単位で課税されるので、配偶者がいる場合は配偶者の資産と合算して課税対象とします。
大統領選挙が近づくと、富裕税に関する論議が活発になります。今年2007年にも春に大統領選挙を控え、社会党候補のセゴレン・ロイヤル女史
は富裕税継続派。「自分も富裕税を支払っている」と最近メディアの質問に答えています。国民運動連合派(UMP)候補のニコラ・サルコジー氏は、廃止はしないまでも
軽減をするための改革が必要としています。
参考までに、以下に富裕税に関する問題点を列記します(
www.wikipedia.orgからの引用)。
1) 申告が複雑な上、全資産を詳細に評価しなければならない為、私生活を侵害する性質があり憲法に反する。
2) 殆どの国、特にヨーロッパの他国では、この様な富裕税を廃止しており、金持ちのフランス脱出に拍車をかけている。
3) 相続税と2重課税になっている
4) 自己申告制の為、不正申告又は不申告が多い
5) 資産評価が困難なため、正直に自己申告しても税務当局に資産価値過小評価申告と判断される場合があり、当局との紛争となりかねない。
6) 富裕税徴収にかかる費用が、税収入に比べて高額
7) 本当のお金持ちは、所有資産を職業用としたりして納税を避けることが出来るため、上級管理職や高額年金所得者などに負担がかけられている。
8) 夫婦には不利。例えば、各自が500.000ユーロづつ資産を所有している場合、独身であれば課税対象とはならないが、結婚すると合計1.000.000ユーロに富裕税がかかる。又、既に富裕税を支払っている独身同士が結婚すると、独身の時よりも高額を納税する結果となる。こういった事実が、法の穴をくぐる
「同居離婚」を促す結果となる。
9) 投資収益率は下降一途なのに、富裕税率は固定。投資利益に対する税金の割合が上昇するばかり。
税金を上げて多少の国家収入増化を期待しても、結局は、お金持ちも外国人投資家も税金の高さに辟易して外国に退去したり投資断念してしまいます。
それだったら、少なくとも富裕税くらいは廃止して、お金持ちにはフランスでお金を使ってもらう方が良いと思うのは私だけではないでしょう。
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